「医者に質問、今までで最大の失敗は?」「実はこんなミスを…」回答いろいろ
医者は患者の命を預かるミスの許されない職業ですが、そうは言っても人間ですから、長くやっていれば失敗することもあるかと思います。
海外掲示板に、
「医者に質問、今までどんな失敗をしたことがありますか? 一番のミスを教えてください」
と投稿されていました。
「医者に質問、今までどんな失敗をしたことがありますか? 一番のミスを教えてください」
と投稿されていました。
医師による、さまざまな回答をご紹介します。
●それほど大きい失敗ではないけれど、居心地が悪かった経験がある。手術用手袋を14歳の少女の額に接着してしまったことがある。ダーマボンドを使った人ならわかると思うが、かなり垂れやすく速乾性がある。彼女の顔に自分の手袋をつけてしまい、彼女の母親が同室にいたので、「すみません、手袋を顔に接着してしまいました」と言わなくてはいけなかった。
●一度、銃創(銃弾で撃たれてできた傷)を見落としたことがある。患者はコンサート後に血だらけで救急室に放り込まれたんだが、動脈出血の銃創にみんな集中していた。看護婦は腕の傷に加圧帯を施していて、それが出血を緩めたのでみんな銃創に気づけなかった。
さらに僕は患者をひっくり返して2度目の検査をしたのに、そのときも見落とした。
翌日の胸のレントゲン撮影まで気づかず、胸部に銃弾の後部が残っていた。臓器に重大なダメージもなく患者も一命をとりとめたが、それでも重大なミスだと思っている。
●救急で働いていた看護婦より。とある男性が首にひっかき傷をともなって、眠った状態で、救急車で運ばれてきた。検査をしたところ血圧は完全に限界で、急いで運んだけれどドアを通り抜けた10分後にはもう亡くなっていた。
首の傷というのはなんと22口径ライフルの銃弾が体をまわって出来た傷口だった。銃に撃たれたことに気づけず、検死報告では足を撃たれた銃弾が体をまわり、内部を引き裂きながら胴部を通ったものだった。私たちが対処できることではなかったけれど、今までで一番「今のは何だったんだ」という、すごい瞬間だった。
●病理学医だが、自分の一番の失敗はHIV保持者の検死の最中に、自分を切ってしまったこと。幸運にもウィルス感染はなくハッピーエンドだった。
●自分ではなく、医師仲間にあったエピソード。
その医者は薬を処方していた。担当の患者は服用量がわずかでも副作用がある上に、薬による改善が見られないという理由で病院に再訪していた。副作用そのものは軽度だったことから、薬の副作用とは別の原因かもしれないと診断し、単純に薬の量を増やした。すると患者の病気は激しく悪化し、複数の合併症を伴って亡くなった。大きな医療ミスであり、担当が自分だったら副作用を見落とことなく、患者が亡くならずに済んだと思わずにいられない。
●産婦人科医を引退したばかりの母親の話。
彼女が初期の頃におかしたミスで、医療的なミスではなかったが、手術を台無しにしかけたらしい。帝王切開手術をしているときに外科用のメスを床に落としたそうだ。その瞬間、何も考えずに「何てこと!」と声に出てしまったんだが、手術を受けていた女性がそれを赤ちゃんにトラブルがあると勘違いし、パニックを起こして、看護婦や、彼女の夫、母親が必死でなだめることになったそうだ。
●看護婦より。間違った患者に抗凝血剤を投与してしまい、翌日、彼の赤血球が下がり、集中治療室に行く事態になった。
●かなり若い頃に、女性患者を「てんかん」と診断ミスをしたことがある。
その数年前に彼女は銃で撃たれたことがあり、前頭葉の下部に損傷があった。それが原因で眼球周りの筋肉と視力神経をも傷めていた。一命はとりとめたが前頭葉は傷ついたままで片目の視力も失い、常に視線が外側の下を向いていた。
数年後、彼女は変な感覚にさいなまれ、胸を打ち付けられるような感じがし、そのたびにそれまでやっていたことを止めて座りこみ、口も利けなかった。かなり変わった症状で自分は前頭葉の傷からくる「てんかん」だと考え、抗てんかん剤を増やしていき、最初はそれが効いていたが、すぐに同じ症状が現れた。
自分が診断してから2年ほど経って、彼女の糖尿病を診ていた内科医が甲状腺機能の検査をした。すると恐ろしく数値が高く、それまでの症状が甲状腺亢進症の現れであることがわかった。すぐに放射性ヨウ素を投与し、甲状腺刺激ホルモンの抑制を行い、甲状腺療法を始めると症状が改善していった。抗てんかん剤も害を残すことなく抜くことができた。
彼女は典型的な甲状腺患者のようにスリムではなく肥満で、目にもすでに障害があったことからわからず、自分がなぜ診断ミスをしたのか理由がよくわかっている。甲状腺機能の検査をしているのでなければ、ずっと気づかなかったろうとも思い、今では甲状腺機能の検査を僕から受ける患者は多い。その患者は病院のスタッフでもあり、今でも見かけると僕にハグをしてくれるいい関係を築けている。彼女は僕のせいではなかったと言い、僕もその後ずっと彼女のことを気にかけていたからというのもあるが、今でもよく彼女の診断ミスをしたことを考える。その経験から、診断するときには自信過剰にならないようになった。
●数か月前、患者に偶然クレアチニン検査を行った。すると腎臓疾患があり、そのことは誰も知らなかった。ちょうどバイパス形成手術をするところだったが、結果がその前にわかり手術を止めることが出来た。もうちょっとで死ぬところだったことを、患者は知らなかったと思う。
●うちの弟は外科医で、その時は研修医として小児科で働いていた。2人の新生児を担当していたのだけど、1人は何とか生き延びそうで、もう1人は亡くなるまで数時間という状態だった。
弟はそれぞれの家族にそのことを伝える役目だったが、連絡をした15分後に、それぞれ逆の赤ちゃんの状況を伝えてしまったことに気づいた。
つまり生き延びる赤ちゃんの両親に亡くなると伝え、亡くなる赤ちゃんの両親に生き延びると伝えた。
もちろん弟はもう一度、それぞれの両親に説明することになった。たった1時間で地獄と天国が入れ替わることになった。弟から聞いた最も悲しい話であり、そのことで弟も打ちのめされていた。
●一度、銃創(銃弾で撃たれてできた傷)を見落としたことがある。患者はコンサート後に血だらけで救急室に放り込まれたんだが、動脈出血の銃創にみんな集中していた。看護婦は腕の傷に加圧帯を施していて、それが出血を緩めたのでみんな銃創に気づけなかった。
さらに僕は患者をひっくり返して2度目の検査をしたのに、そのときも見落とした。
翌日の胸のレントゲン撮影まで気づかず、胸部に銃弾の後部が残っていた。臓器に重大なダメージもなく患者も一命をとりとめたが、それでも重大なミスだと思っている。
●救急で働いていた看護婦より。とある男性が首にひっかき傷をともなって、眠った状態で、救急車で運ばれてきた。検査をしたところ血圧は完全に限界で、急いで運んだけれどドアを通り抜けた10分後にはもう亡くなっていた。
首の傷というのはなんと22口径ライフルの銃弾が体をまわって出来た傷口だった。銃に撃たれたことに気づけず、検死報告では足を撃たれた銃弾が体をまわり、内部を引き裂きながら胴部を通ったものだった。私たちが対処できることではなかったけれど、今までで一番「今のは何だったんだ」という、すごい瞬間だった。
●病理学医だが、自分の一番の失敗はHIV保持者の検死の最中に、自分を切ってしまったこと。幸運にもウィルス感染はなくハッピーエンドだった。
●自分ではなく、医師仲間にあったエピソード。
その医者は薬を処方していた。担当の患者は服用量がわずかでも副作用がある上に、薬による改善が見られないという理由で病院に再訪していた。副作用そのものは軽度だったことから、薬の副作用とは別の原因かもしれないと診断し、単純に薬の量を増やした。すると患者の病気は激しく悪化し、複数の合併症を伴って亡くなった。大きな医療ミスであり、担当が自分だったら副作用を見落とことなく、患者が亡くならずに済んだと思わずにいられない。
●産婦人科医を引退したばかりの母親の話。
彼女が初期の頃におかしたミスで、医療的なミスではなかったが、手術を台無しにしかけたらしい。帝王切開手術をしているときに外科用のメスを床に落としたそうだ。その瞬間、何も考えずに「何てこと!」と声に出てしまったんだが、手術を受けていた女性がそれを赤ちゃんにトラブルがあると勘違いし、パニックを起こして、看護婦や、彼女の夫、母親が必死でなだめることになったそうだ。
●看護婦より。間違った患者に抗凝血剤を投与してしまい、翌日、彼の赤血球が下がり、集中治療室に行く事態になった。
●かなり若い頃に、女性患者を「てんかん」と診断ミスをしたことがある。
その数年前に彼女は銃で撃たれたことがあり、前頭葉の下部に損傷があった。それが原因で眼球周りの筋肉と視力神経をも傷めていた。一命はとりとめたが前頭葉は傷ついたままで片目の視力も失い、常に視線が外側の下を向いていた。
数年後、彼女は変な感覚にさいなまれ、胸を打ち付けられるような感じがし、そのたびにそれまでやっていたことを止めて座りこみ、口も利けなかった。かなり変わった症状で自分は前頭葉の傷からくる「てんかん」だと考え、抗てんかん剤を増やしていき、最初はそれが効いていたが、すぐに同じ症状が現れた。
自分が診断してから2年ほど経って、彼女の糖尿病を診ていた内科医が甲状腺機能の検査をした。すると恐ろしく数値が高く、それまでの症状が甲状腺亢進症の現れであることがわかった。すぐに放射性ヨウ素を投与し、甲状腺刺激ホルモンの抑制を行い、甲状腺療法を始めると症状が改善していった。抗てんかん剤も害を残すことなく抜くことができた。
彼女は典型的な甲状腺患者のようにスリムではなく肥満で、目にもすでに障害があったことからわからず、自分がなぜ診断ミスをしたのか理由がよくわかっている。甲状腺機能の検査をしているのでなければ、ずっと気づかなかったろうとも思い、今では甲状腺機能の検査を僕から受ける患者は多い。その患者は病院のスタッフでもあり、今でも見かけると僕にハグをしてくれるいい関係を築けている。彼女は僕のせいではなかったと言い、僕もその後ずっと彼女のことを気にかけていたからというのもあるが、今でもよく彼女の診断ミスをしたことを考える。その経験から、診断するときには自信過剰にならないようになった。
●数か月前、患者に偶然クレアチニン検査を行った。すると腎臓疾患があり、そのことは誰も知らなかった。ちょうどバイパス形成手術をするところだったが、結果がその前にわかり手術を止めることが出来た。もうちょっとで死ぬところだったことを、患者は知らなかったと思う。
●うちの弟は外科医で、その時は研修医として小児科で働いていた。2人の新生児を担当していたのだけど、1人は何とか生き延びそうで、もう1人は亡くなるまで数時間という状態だった。
弟はそれぞれの家族にそのことを伝える役目だったが、連絡をした15分後に、それぞれ逆の赤ちゃんの状況を伝えてしまったことに気づいた。
つまり生き延びる赤ちゃんの両親に亡くなると伝え、亡くなる赤ちゃんの両親に生き延びると伝えた。
もちろん弟はもう一度、それぞれの両親に説明することになった。たった1時間で地獄と天国が入れ替わることになった。弟から聞いた最も悲しい話であり、そのことで弟も打ちのめされていた。
命に関わるだけに、いろいろと考えさせられます。
患者としては一つのミスであっても困りますが、それだけに医療関係の仕事が大変であることが伝わってきます。
らばQさんより
う~~~ンこれは笑えないな~
(^^;
リアルすぎる。
医者も戦ってるんだな~。