睡眠時無呼吸症候群・・・これはどなた様も一度は耳にしたことのある病名ではないでしょうか?(^^)
実は僕も指摘されたことが有り、医師に相談しましたが重度では無く放置で良いと診断されています。
ストレス社会といわれる現代では、十分な睡眠が健康を維持するに当たり重要な役割を果たしていると言っても過言ではありませんね!
様々なサイトから、その症状や対策法などを転載したいと思います
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「無呼吸=息が出来ない」ので死んでしまうのではないか?と思われがちですが、実は、この無呼吸自体で、死んでしまうことはありません。むしろ、無呼吸がつづくことで体に負荷がかかり生活習慣病(高血圧や心疾患など)になることや、記憶に新しい新幹線のオーバーラン事件に代表される、昼間の眠気による事故(交通事故、労災事故)に関係するため、ご本人だけでなく社会的にも問題となるのです。
怖いことを書きましたが、SASはしっかり治療すると無呼吸がなくなり、生活習慣病や眠気などの症状もきちんとコントロールできます。この疾患はなにも特殊な疾患ではありません。有病率は人口の4%と言われており、日本には200万人いると言われています。しかし、なかなか気がつきにくい、いびきをかく程度で受診するなんて恥ずかしいと言う理由などで、まだまだ治療を受けている方が少ないのが現状です。

睡眠時無呼吸症候群
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病気の定義(概念)
- 無呼吸
- 口、鼻の気流が10秒以上停止すること。
- 低呼吸
- 10秒以上換気量が50%以上低下すること。
- 無呼吸・低呼吸指数
- 1時間あたりの無呼吸と低呼吸を合わせたもの。
分類
- 閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSAS, Obstructive SAS)
- 上気道の閉塞によるもので呼吸運動はある。肥満者は非肥満者の三倍以上のリスクがあるとされる[1]。また、顎が小さい骨格であるほど発症のリスクも高い(下記の補足を参照)。
- 中枢性睡眠時無呼吸症候群
- 呼吸中枢の障害により呼吸運動が消失するもの。
- 混合性睡眠時無呼吸症候群
- 閉塞型と中枢型の混合したもの。
原因
- 閉塞性睡眠時無呼吸症候群
- 睡眠中の筋弛緩により舌根部や軟口蓋が下がり気道を閉塞することが主な原因である。
- 中枢性睡眠時無呼吸症候群
- 脳血管障害・重症心不全などによる呼吸中枢の障害で呼吸運動が消失するのが原因である。
症状
- 就寝中の意識覚醒の短い反復、およびそれによる脳の不眠
- 昼間の耐えがたい眠気
- 抑うつ
- 頻回の中途覚醒
- 集中力の低下
- (家族などが気づく)睡眠時の呼吸の停止
- (家族などが気づく)大きな鼾(いびき)など
- (家族などが気づく)夜間頻尿(2型糖尿病になりやすくなる)
- 起床時の頭痛
- インポテンツ(女性の場合は月経不順)
- のどが渇く
- こむら返り
- 糖尿病性昏睡
治療
閉塞性睡眠時無呼吸症候群
減量療法
持続陽圧呼吸療法
nasal CPAP(nasal continuous positive airway pressure; 鼻シーパップ、ネーザルシーパップ)装置よりチューブを経由して鼻につけたマスクに加圧された空気(陽圧の空気)を送り、その空気が舌根の周囲の軟部組織を拡張することで吸気時の気道狭窄を防ぐ方法。
CPAP装置には大きく分けて2タイプあり、ひとつは固定CPAPと呼ばれ、もうひとつはオートCPAPと呼ばれる。いずれも日本国内では保険診療として認められており、1ヶ月当たり5,000円弱で利用することができる。一般的には保険診療扱いで「装置をレンタルして使う」ようなスタイルのため、症状の有無に関わらず1ヶ月に最低1回は担当医師の診察が必要であるが、通院が困難な場合などはCPAP装置を購入するという選択肢もある。
固定CPAPは、患者があらかじめ検査入院するか計測器を自宅で取り付けて適切な圧力を測定し、それを医師が装置に設定し、患者が使うものである。設定値が高い場合、患者の入眠が妨げられることもあるため、始動時からある程度の時間は弱い圧力で作動し、徐々に設定した圧力に変わるようになっているものがある。
CPAP装置から鼻マスクへ送出される空気の気圧は、症状や体格により異なるが、4~20cmH2O程度である。どうしても処方直後は不快感を持ちやすく、睡眠中無意識に鼻マスクを外してしまうことがある。機種によっては、このような場合に警告音を鳴らすことができる。CPAPの普及に伴い、不快感を減少させるための工夫が年々行われている。どのような形式の鼻マスクであれ、調整用のバンドが付いているので快適な装着感が得られるまで調整を繰り返し、できるだけ早く慣れるように試みるのが基本である。骨格などの関係で、どうしても不快感が残る場合は医師に相談し、サイズ・形状の異なる鼻マスクの提供を受けるのがよい。
鼻マスクは、あえて空気が漏れやすい構造になっている。作動時は常にシューという空気の摩擦音が発生するが、これは異常ではない。潜水用の酸素マスクのような、呼吸に連動して作動するバルブは付いておらず、息を吐き出したらスムーズにマスクの外へ流れるようになっている。機種によっては、息を吐く時だけ圧力が下がるものがある。
CPAPの利用者は、宿泊を伴う移動の際は必ずこの装置を携行しなければならない。そのため、CPAPは携行の便を考慮したリュックサックやショルダーバッグのようなケースに収めて提供される。特にビジネス目的の移動では、装置を携行しなかったために移動先での活動が不十分になってしまうようなリスクに留意する必要がある。重さはだいたい1~3キログラムであるが中には1kgを切るとても軽い機器もある。どうしても携行しにくい場合は、精密機器扱いの宅配便で目的地に送っておくなどの工夫が望ましい。 尚、電源の確保が難しい航空機内やキャンプ泊用として、専用の携行バッテリーが各社からリリースされているが、国内では未発売となっている。
スリープスプリント(マウスピース)療法
外科的治療(口蓋垂軟口蓋咽頭形成術)
中枢性睡眠時無呼吸症候群
- 原因となる脳疾患、心疾患(虚血性心疾患など)などの治療
- 在宅酸素療法
- BiPAP(バイパップ)療法が有効であるとの報告あり
合併症
診療科
疫学
閉塞性睡眠時無呼吸症候群においては、肥満者は非肥満者の三倍以上の発症リスクがあるとされている。日本人は欧米人よりも肥満度は低いのにもかかわらず、有病率は欧米に劣らないという報告もある。これは、いわゆる東アジア人の顔面骨格構造のために発症しやすいのではないかと考えられている[1](補足も参照)。
補足
NHKスペシャルの「病の起源」によれば肥満体型の人のほかにも、顎の小さい人もなりやすいとも言われている。顎の小さい人は同時に気管が狭く、気管狭窄になりやすいともいわれている。また、人類の顎は時代が経つにつれて小さくなりつつあるといわれている。これは、人類が食料不足を解消するため、これまで口にしてこなかった動物の内臓や骨の髄などの柔らかい部分を食料にしたことで、顎を使う機会を減らしていったと考えられている。そうした影響で人類の顎は次第に小さくなり、ついには睡眠時無呼吸症候群になりやすい骨格へと変わっていったと考えられている。この睡眠時無呼吸症候群を宿命病の一種と考える学者も多い。
肥満以外にもあった!
睡眠時無呼吸症候群の意外な原因
眠っている間に呼吸が止まってしまう病気・睡眠時無呼吸症候群(SAS)。原因には「肥満」がよく挙げられるが、「実はファッションモデルのような小顔の女性も発症のリスクがある」と太田総合病院記念研究所附属診療所・太田睡眠科学センターの千葉伸太郎所長は指摘する。大きないびきを伴うことが多く、潜在患者を含めると4人に1人が該当する可能性があるこの病気。放置すれば、不眠症、心筋梗塞や脳梗塞、交通事故のリスクも高まるが、その原因とその治療法について千葉所長に聞いた。(聞き手/医療ジャーナリスト 渡邉芳裕)
実は「小顔」の人も
無呼吸症候群のリスクが!?

太田総合病院記念研究所附属診療所 太田睡眠科学センター・睡眠外科学センター所長 東京慈恵会医科大学准教授。日本睡眠学会認定医、日本耳鼻咽喉科学会専門医。1961年生まれ。東京慈恵会医科大学卒。スタンフォード大学医学部睡眠&生体リズム研究所客員講師。
睡眠時無呼吸症候群は、眠りについた後、普段のような呼吸がしにくくなり、一時的に呼吸が止まってしまう病気です。呼吸が止まることで、血液中の酸素濃度が下がったり、血圧が急上昇するため、さまざまな病気を引き起こすリスクが高まります。また、睡眠が分断され、安眠できなくなるので、睡眠障害を引き起こし、心身に悪影響を及ぼします。
代表的な症状は、眠っているときに大きないびきをかき、それに相反するように突然いびきが止まり、その間、呼吸も止まってしまうというものです。これは眠っている最中に起こることなので、本人は自覚できません。自覚症状としては、朝起きても疲れがとれない、頭痛がする、昼間に強い眠気に襲われるといったことが挙げられます。
最も多いのが肥満体型の人です。とくに、20歳を過ぎてから肥満になった人は、睡眠時無呼吸症候群になりやすいですね。それは、体だけでなく、舌も太ってくるからです。もともと舌は顎の中にさまっており、舌が太っても顎の骨より前には出てこられないので、のどの奥に下がっていきます。すると、空気の通り道である気道が狭くなり、睡眠中に呼吸がしにくくなります。
また、欧米人に比べて日本人に多いのが、顔の骨格による影響です。日本人は、下あごが小さいことに加え、“フラットフェイス”といわれるように顔の奥行きがあまりありません。なかでも、「弥生人型」の骨格の人は、もともと顔が薄くて気道が狭いので、少し太るだけで呼吸しづらくなってしまいます。最近では、ファッションモデルの女性のような小顔の人は、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高いといえるでしょう。一方、「縄文人型」のようなえらのはった人は、骨格のリスクが少ないので、少し太っても気道は確保できます。
このほか、神経系の病気をもっている人や高齢者は、通常よりも呼吸や睡眠の機能が落ちているので、睡眠時無呼吸症候群になりやすい傾向があります。また、子どもや若者でも、扁桃腺が大きかったり、鼻炎で鼻がつまりやすいなど、鼻からのどにかけて何らかの障害がある場合、そのリスクが高まります。
4人に1人が患者&潜在患者
心筋梗塞・脳梗塞リスクは3~4倍も
国内における患者数は約300万人と推測されていますが、まだ症状が出ていない潜在患者も含めると4人に1人が睡眠時無呼吸症候群の可能性があるともいわれています。性別では、男性のほうが圧倒的に多く、生活習慣や食生活の乱れなどが大きく影響していると考えられます。一方、女性は、男性よりも生命力が強く、呼吸が止まることに対して防御機能を備えているので、もともと睡眠時無呼吸症候群になりにくいという特性をもっています。
睡眠中に何度も呼吸が止まることで、血液中の酸素量が足りなくなり、動脈硬化がすすみやすく心筋梗塞や脳梗塞など血管系の病気の発症リスクが高まります。
そのまま治療せずに放置していると、心筋梗塞や脳梗塞のリスクは健常者の3~4倍にもなり、また患者の15年後の生存率は6割を切るという調査報告もあります。
さらに、睡眠の分断により日中に眠気が強くなることで、社会的な事故のリスクも高まります。例えば、居眠り運転による交通事故や工場での作業中の事故など。海外の調査によると、睡眠時無呼吸症候群の患者の交通事故発生率は、健常者の7倍以上も高くなっています。
そのため、眠っている時の大きないびきを家族や周りの人に指摘されたり、昼間の強い眠気など自覚症状を感じたら、早めに専門施設(睡眠クリニック、耳鼻咽喉科、呼吸器内科など)を受診することをおすすめします。現在、睡眠時無呼吸症候群を扱っている医療機関は、全国に約1万件ありますので、近くの病院に相談してみましょう。
診断&治療は自宅でも行える!
口を開けて呼吸する子どもには注意を

睡眠時無呼吸症候群の診断方法としては、スクリーニング検査と精密検査があります。まず、スクリーニング検査では、簡易型検査装置を使って、眠っている間の呼吸に異常がないかを調べます。この検査は、早ければ診察した当日に、自宅で行うことができ、約1週間後には診断結果がわかります。
スクリーニング検査をしても診断がつかない場合や病態が複雑な場合は、精密検査として、終夜睡眠ポリグラフ検査を行います。この検査では、医療機関に実際に泊まって、睡眠中の脳波や心電図、呼吸、いびき音などをチェックし、睡眠の質を評価します。当院では、検査専用のシールド室に泊まってもらい、睡眠検査技師が解析室で常時モニタリングを行います。検査は翌朝には終了するので、起きたらそのまま会社に出勤することも可能です。
こうした検査とあわせて、睡眠時無呼吸症候群の原因を探るための検査も行います。顔の骨格に関わるリスクを調べるために、レントゲンやCTの画像分析を行い、標準的な骨格に比べてどのくらい小さいかを調べます。また、耳鼻咽喉科では、気道に異常があるかどうかをファイバースコープで検査します。

保険診療での第一選択肢になることが多いのが、CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)治療です。この治療法は、鼻に装着したマスクから空気を送りこんで、気道に圧力をかけ、睡眠中に呼吸が止まらないようにするものです。保存治療になりますので、自宅で治療を行うことができます。CPAP治療を継続することで、睡眠を正常に戻すことができ、欧米では患者の生存率を長期にわたって改善できることが認められています。
ただし、場合によっては、保存治療ではなく、外科治療を選択するケースもあります。たとえば、扁桃腺が大きい子どもの場合は、扁桃腺の切除手術が第一選択肢になります。大人の場合でも、CPAP治療を行って効果がみられず、鼻やのど、顎の骨格に問題がある場合は、のどや鼻の奥を広げる手術や顔の骨格を矯正する手術を行います。手術を行うことで、CPAP治療が必要なくなるまで改善することもあります。
さらに民間の治療法になりますが、眠っている時に横向きに固定する抱き枕を使うのも一つの手です。“フラットフェイス”の日本人は、横を向いて寝ると呼吸がしやすくなり、重症度が半分くらいになります。ほとんどの人は寝返りをして、どうしても上を向いてしまいますが、この枕を使うことで、横向きでの睡眠を維持することができます。CPAP治療が合わない患者や、高齢者の患者には効果的ではないかと思っています。
肥満にならないように気をつけるのが第一です。すでに太り気味という人は、普段の食生活を見直して、肥満度を改善するようにしましょう。また、子どもの頃の呼吸の習慣がよくないと、骨格の発達が悪くなり、将来的に睡眠時無呼吸症候群になるリスクが高まります。例えば、いつも口を開けて呼吸をしている子どもは、骨格の発達が悪く、気道が狭くなりやすい。こうした子どもには、親が注意して呼吸法を治してあげてください。
http://diamond.jp/articles/-/69859